社会学部の就職事情と学びを生かして就活を有利に進める方法

就活がうまくいかないときの対処法

社会学部が就職で不利と言われる理由を踏まえ、社会学部での学びを生かして就活を有利に進める方法を解説します。

社会学部は学べる内容が多岐に渡るので、就職先の幅が広いです。

その分、進路選択に悩んでいるかもしれませんが、おすすめの職種や業界についても解説するので、ぜひ進路選択の参考にしてください。

幅広く学べるのが特徴

社会学は社会生活の中での人間同士の関係のあり方や現代社会が抱える様々な社会的問題・社会現象を分析する学問として世間で位置付けられています。

個人と個人、社会と社会、個人と社会といった相互的な関係に視点を置いているのが社会学の特徴です。

大学で学んだ内容は就職にも大きく影響しますが、学べる学問分野は文化・産業活動・人間・地域社会など多岐に渡ります。

都市・家族・地域コミュニティ・産業や労働などあらゆる社会の集団や社会関係が研究対象になる社会学は非常に幅広い学問領域になるのです。

医療・経済・法学など様々な分野が融合しており、主な学科・分野だけでも、これだけあります↓

  • 社会学科
  • 現代文化学科
  • メディア社会学科
  • 社会福祉学科
  • 国際社会学科
  • 犯罪社会学科
  • 医療社会学科
  • 環境社会学科
  • 経済社会学科
  • 法社会学科
  • 都市社会学科
  • 地域社会学科
  • 社会経済学科
  • 社会言語学科
  • 社会心理学科

法学・政治学・経済学・商学といった専門的な学問では理論を中心とした研究が行われますが、社会学ではデータや統計を用いて実証的・科学的に調査研究をします。

社会の形態や集団は時代と共に大きく変化していきますが、経済学や教育学などの様々な分野を横断し、個人や社会集団の調査研究を行うのが特徴です。

要するに、フィールドワークなどを通して実際に自分たちでデータを集めて「社会という書物」を読み解くというのが社会学の基本的なスタンスです。

社会学部が就職に不利と言われる理由

社会学部が不利なのは、一言で言うと何をしてきたのかがイマイチ分からないからです。

社会学部では社会全般のことを学べるため、何でもできる学部として捉えられることも多いですが、それは逆に言ってしまうとどれも浅く中途半端ということです。

他の学部では政治や法律といったある程度の専門性が瞬時に理解できるのに対し、社会学部は学問の領域が広く、何をしているのかのイメージがつきにくいのです。

平均年収ランキング

社会学部が就職に有利かを客観的に測るための1つの参考として、学部別の平均年収ランキングで社会学部が何位なのかをご紹介します。

社会学部の順位は10位で平均年収は394万円ですが、経済・経営・商学部の平均年収が480万円で3位、法・政治学部が476万円で4位であることを考えると低めです。

ただし、一般的に専門性が高い職業ほど収入も高い傾向にあるので、そのような職業に就けば社会学部からでも高給取りになることは十分可能です。

就活を有利に進めるカギはゼミ!

就活で必ず聞かれる質問にガクチカ(学生時代に力を入れて頑張ったことは?)というものがあります。

「社会学部で何やってるの?」と聞かれたときに明確に答えられないとまずいので、ガクチカは特に注意してネタを用意しましょう。

ガクチカでは社会学のどの領域を専門的に学んだのかを分かりやすく伝える必要がありますが、ネタとして一番使いやすく企業からのウケも良いのがゼミや研究内容です。

社会学部では1年次の授業から科目が「政治学」「経済学」「マーケティング」など多岐に渡っており、2年次以降からゼミに入って専門的に学ぶのが一般的です。

まずは1年次の授業で様々な学問に触れてみて、自分が一番興味を持った分野のゼミを選ぶようにしましょう。

ただ漫然と授業を受けているだけだとゼミや研究内容のネタが使えなくなってしまうので、きちんと自分がやりたい専門分野を見つけ、それができるゼミに入りましょう。

また、社会学部は学際的で即戦力となるスキルに乏しいと言われていますが、就活で大事なのはスキルよりポテンシャルです。

ゼミ以外にも力を入れた授業や興味のある学問分野を持っておくと、

「勉強を頑張れるということは、入社しても仕事を頑張ってくれるかもしれない」

とポテンシャルを評価してもらえるので、大学の授業にはしっかりと取り組んでおきましょう。

有名な大学の社会学部生の主な就職先や就職率

社会学部がある主な大学(一橋・筑波・立教・関西・関西学院)の就職先業界トップ3は以下の通りです。

金融・保険業界やメーカー、サービス業などが上位に来るのは他の文系学部と大きく変わりません。

  • 1位:製造業(メーカー)・金融(銀行・証券)・保険業
  • 2位:教育・広告・公益・サービス業
  • 3位:建設・不動産・運輸

一橋大学

法学部や経済学部に比べてメーカーの割合が高くなっています。

出典:平成27年度卒業生学部別進路状況

筑波大学

就職率は74.2%で、就職先の内訳は以下の通りです。

  • サービス業:36.5%
  • 金融・保険業:19.3%
  • 製造業:17.3%
  • 建設業:9.6%
  • 運輸・通信業:7.7%
  • 卸売・小売業・飲食店:7.7%
  • 不動産業・物品賃貸業:1.9%

出典:進路先統計(平成30年度)

立教大学

就職率は89.6%で、就職先の内訳は以下の通りです。

  • 製造業:18.6%
  • 情報:16.6%
  • 金融・保険:12.8%
  • サービス:12.1%
  • 放送・広告:9.8%
  • 卸・小売:9.6%
  • 不動産・電気・ガス:6.5%
  • 運輸・通信:5.8%
  • 農業・林業・水産・鉱業・建設:3.1%
  • 公務:2.9%
  • 教育:1.6%

出典:学部別進路決定状況 2018年度・学部別就職状況 2018年度

関西大学

2018年度の就職先の内訳は以下の通りです。

  • 製造業:19.8%
  • 教育・広告・その他サービス業:18.1%
  • 卸売業・小売業:16.5%
  • 情報通信業:15.1%
  • 金融業・保険業:13.8%
  • 公務員・公立学校教員:4.8%
  • 運輸業・郵便業:4.6%
  • 建設業:3.1%
  • 不動産業・物品賃貸業:3.1%
  • その他:1.1%

出典:関西大学 社会学部・大学院社会学研究科HP

関西学院大学

就職率は男子が99.2%、女子が99.7%で、就職先の内訳は以下の通りです。

  • 金融業・保険業:20.5%
  • 製造業:19.1%
  • 卸売業:10.5%
  • 小売業:7.0%
  • 情報通信業:6.4%
  • マスコミ:4.8%
  • 運輸業:4.1%
  • 建設業:2.7%
  • 不動産業・リース業:2.7%
  • 電気・ガス・熱供給・水道業:0.5%
  • 教育・公益・その他サービス業:20.3%

出典:2017年度 社会学部卒業生の進路について

おすすめの職種

文系の学生が就く職種としては営業が一番多く、それは社会学部の学生も例外ではないですが、マーケティングや企画職にも強いというのは社会学部の特徴です。

学部時代からフィールドワークなどを通して統計、データを用いた分析やマーケティングなどを学べるため、上手く生かすことができれば企業でも活躍できる場面は多いでしょう。

また、メディア社会学科などの学生にはテレビ局・制作会社・新聞社・出版社といったマスコミ系も人気があり、向いている業種と言えるでしょう。

社会学部は学科により学習内容が大きく異なるので、就きたい職種で生かせるようなことが学べる学科を選ぶと就活で有利になります。

公務員も目指せる

社会学部では保育士や幼稚園教諭、教師や大学教授などの教育系の職業に就く人も多いですが、その背景には社会学部では様々な資格を取得するための環境が整っていることが挙げられます。

教員免許をはじめ、学芸員資格や社会調査士など、公務員を目指す上で有用な資格も取得できるので、進路選択の際には、自分の就きたい仕事で必要とされる資格が取れるコースを選ぶようにしましょう。

社会学部生であることを就職で生かすには?

社会学部は学問領域が様々な分野を横断しているため何をしているのか分からないと思われがちですが、様々な業界に挑戦するチャンスがあるということでもあります。

今後のキャリアを意識する中で自分にとって必要な勉強をし、興味のある分野のゼミ活動や授業に真面目に取り組むことで、ガクチカでアピールできるネタをゲットしましょう。

ガクチカではエピソードを交えるとより効果的にアピールできるので、エピソードの上手な作り方も併せてご覧ください。

エピソードの上手な作り方はこちら

また、ここまでの内容に目を通してみても将来やりたい事や自分に向いている仕事が何なのかピーンと来なかったなんてこともあるかもしれません。

そんな時には自己分析のやり方や文系の学部生におすすめの仕事(職種)についての知識をつける事が突破口になります。それぞれの内容についてまとめているページをご紹介しますのでご興味がある方をご覧ください。
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