就活がなかなか上手くいかず、嫌気がさしたときに思い浮かぶのが「就活留年」という選択肢です。
しかし、就職留年をするのにどのようなリスクやメリットがあるのか、選考で何に気を付ければ良いのかなどを正しく理解できていないまま決断するのは危険です。
この記事では、就職留年をするべきかどうか決めかねているあなたのために、就職留年で失敗しないための秘訣をお伝えしていきます。
私が見た就活留年で失敗してしまう人の特徴
最初に、私が実際に就職留年をしていた人を見て気づいた、就活留年で失敗してしまう人の特徴を4つ紹介します。
これらの特徴に1つでも当てはまってしまうと、就職留年をしても思うような企業に内定できない可能性が高くなるので注意が必要です。
就活がうまく行かないから逃げようとしている人
就職留年を逃げ道としてとらえ、現在の就活が上手くいかないからとりあえず留年して先延ばしにしようと考えている人はまず成功しません。
ある程度の目的意識や目標がないと、たとえ留年をしたとしてもまた同じような壁にぶつかりますし、何かを言い訳にしてずるずると逃げ続けることを覚えるだけです。
私の知っている先輩は就活が嫌だという理由で就職留年をしていましたが、次の年もまともに就活に取り組むことができず、結局フリーターになっていました。
特定の企業や業界への思い入れが強すぎる人
やりたいことや行きたい企業があるというのはそれだけでとても素晴らしいことなのですが、就職留年をする際は考え直さなければなりません。
なぜならば、一度落ちてしまった業界や企業を受け直しても落ちる可能性の方が圧倒的に高いからです。
選考に落ちたのは運の問題ではなく、あなたがその企業に相応しくないと判断されてしまう要因が少なからずあったからなので、相当な努力で自分を変えることができなければ厳しいです。
1回目の就活の失敗理由を分析出来ない人
これは当たり前のことですが、何かに再チャレンジする際、失敗したときと同じことを繰り返しても上手くいくはずがありません。
先ほども言いましたが、選考に落ちてしまうのは運が悪いからではないですし、必ずどこかに原因がありますので、それを取り除かない限りは何度やり直しても同じことです。
まずは今までの自分の就活の何が問題だったのかをしっかり振り返り、見つかった課題の改善をメインに取り組んでいくことが大切です。
今のままのスペックで2回目の就活に臨む人
就活では選考を突破するための小手先のテクニックも大事ですが、その人が持つスペックというのは最も根本的なところで結果に影響を与える要素です。
1年という長い時間があるのにも関わらず何も成長できていないとなると、採用担当者にも評価してもらえませんし、当然、昨年より良い結果を残すこともできません。
資格や留学経験、長期インターンなど目に見える形で実績を残すことで、留年期間での自分の成長を第三者に理解してもらいやすくなるのです。
不況期の就職留年はかなり危険
就職留年をするという決断は、売り手市場であれば十分に選ぶ価値のある選択肢ですが、現在のコロナ不況期においてはかなり危険な選択と言わざるを得ません。
売り手市場であれば企業の採用人数が多いため、2回目の就活でもある程度の力を付けていれば、志望企業の採用枠に潜り込める可能性があります。
しかし、不景気の場合はそう簡単にいきません。
不況の場合はどの企業も採用を控えるので、内定を取ること自体のハードルが非常に上がりますし、市場全体の求人数も売り手市場のときに比べてかなり少なくなります。
そうなると、わざわざ留年をして2回目の就活に臨んだとしても、経歴面でのデメリットと併せて景気悪化の影響を受けることになり、逆に1回目よりも苦戦する可能性があるのです。
自分の都合だけではなく、市況のことも考慮に入れながら今後の進路を考える必要があるのです。
2度目の就活に取り組んだ方が良いケース
上記で不況期の就職留年は避けた方が良いという話をしましたが、ここではその前提があった上でも2回目の就活に取り組んだ方が良いというケースを紹介していきます。
自分が就職留年をすべきかどうかの判断がつかずに迷っているという方はぜひ参考にしてください。
十分な準備が出来ず失敗したケース
部活や研究室などが忙しく、きちんとした就活準備をほとんどできないまま選考を迎えてしまったという人は、来年きちんと準備さえすれば内定を獲得すること自体はさほど難しくありません。
就活に手が回らないくらいほかに頑張っていたことがあって留年したのならば、面接で留年した理由を聞かれた際にもそれほど悪い印象を与えることなく伝えることができます。
色々と準備をしたのにそれでも受からなかったという場合よりも圧倒的に伸びしろがありますので、あなたの頑張り次第では大きく挽回することも可能なのがこのパターンです。
就活は準備が命ですので、手を抜かずにコツコツ対策をすれば必ず結果はついてきます。
内定ゼロのまま卒業する事が決まったケース
とりあえず内定はあるけど志望度の高い企業ではないから再チャレンジしようか悩んでいるというわけではなく、そもそも内定が一つもないという人は就職留年をおすすめします。
なぜならば、卒業して就職浪人をしたりフリーターになったりするくらいなら、就職留年をする方がよっぽど選考に受かる可能性が高いからです。
一度大学を卒業してしまうと「既卒」扱いになってしまいますが、既卒という肩書は新卒に比べて求人数も少なく、社会経験のある転職者と同じ土俵で戦うことになるので、かなり不利なのです。
このように、内定ゼロのケースに関しては特別な理由がない限り留年するのがベターです。
2回目の就活で逆転する覚悟がある事
就職留年は不利であるということを正しく自覚し、その上でマイナスを弾き飛ばすだけの準備と成長を1年でやる意思があるのならば、不況期でも就職留年で挽回することは不可能ではありません。
ただし、かなり困難な道を選ぶことにはなりますので、必ず逆転してやるという強い覚悟とそれに見合うだけの努力が必要です。
人は追い詰められたリ焦ったりすると冷静な判断ができなくなるものですので、一度冷静に自分を見つめ直し、親や周囲の人に相談してから本当に留年するかを決めましょう。
基本的には留年すべきではないケース
ここまで就職留年した方が良いケースについて紹介してきましたが、もちろんその逆のケースもあります。
ここからは絶対に就職留年を選ばない方が良いケースについて解説していきますので、これに当てはまる人は就職留年を決める前に今一度考え直してみてください。
今内定を持っている
今すでに内定を持っているのに就職留年を選ぶというのはかなりリスクのあることなので、正直おすすめはできません。
就職留年をしたからといって昨年より良い企業に就職できるという保証はどこにもないですし、内定を手放したことに後悔する可能性も高いです。
新卒での就職が思い通りにいかなくても、この先挽回するチャンスはいくらでもあります。
まずは与えられた環境で頑張って成果を出し、その成果を足掛かりに、本来自分が行きたかった企業に転職すれば良いのです。
家庭が裕福ではない
これは酷な話ではありますが、就職留年をするには大きな経済的負担がかかりますので、お金に余裕がないという人はできる限り留年は避けた方が良いです。
学費の負担で親が大変な思いをすることはもちろん、あなた自身がバイトなどで就活に集中できないとなっては元も子もありません。
ただし、大学によっては残り単位数に応じて留年期間の学費を減免してもらえるほか、休学すればさらに安くなる場合もあるので、事前に調べておきましょう。
1年で劇的な進化をする気がない人
コロナ禍で世の中の情勢が不安定な今、来年は今年よりも内定獲得の難易度が上がることは必然ですし、場合によっては内定ゼロということもあり得ます。
このような状況下においては、1年間という限られた時間で劇的な進化をすることが求められますが、そこに自信がないのであれば安易に留年するのは危険です。
また、すでに内定があるのならば、とりあえずそこはキープしておいて、夏採用や秋採用などを受けた方が無難です。
留年を決める前にやるべき事
次に、就職留年を決める前にやっておきたいことについて説明していきます。
いざ就職留年をしようと思っても、やるべきことをしておかなければ時間とお金の無駄になりますので、必ず押さえておきましょう。
今回の就活の敗因分析をする
就職留年を決める前に最初にやるべきなのが、今回の就活の振り返りと反省です。
特に、何がダメで今回の就活に失敗してしまったのかを正しく分析できていないと、2回目の就活でも二の舞を演じることになってしまいます。
失敗の原因を知ることは、今後の進路や次の就活対策を考える上でとても重要になってきますので、しっかりと向き合うことが大事です。
来年の就活解禁までに達成する事を決める
惰性で2回目の就活をしてしまうと、選考が始まるまでの時間をダラダラ過ごしてしまい、本選考までに結局何も成長できなかった、なんてことになりかねません。
このような事態を避けるためにも、志望企業を早めに定めておくことはもちろん、就活解禁までに達成しておくべきことを目標として持っておくことが大事です。
大きな目標だけなく、短期的な目標も設定してコツコツ達成していくようにすると、日々張り合いを持って生活することができます。
親と話して親の理解を獲得しておく
先ほど話したように、就職留年では金銭的な負担もかなり大きいので、親からの理解を得ることは必須条件です。
身近に支えてくれる人がいるということはそれだけで大きな力になりますし、あなたも集中して就活に取り組むことができます。
親との折り合いが悪いまま就職留年を決めてしまうと、万が一失敗したときなどにさらに取り返しのつかないことになってしまいますので、面倒臭がらずきちんと話し合っておきましょう。
2度目の就活で失敗しないためのコツ
ここからは2度目の就活で失敗しないために気を配っておきたいポイントを3つ紹介していきます。
どれも達成するためにはそれなりの時間と労力が必要になりますので、自分は何を重点的に頑張るべきなのかきちんと計画を立ててから取り組みましょう。
筆記試験は最低でも9割は取るようにする
筆記試験はあくまで足切りの要素が強いものなので、2回目の就活にもかかわらずこの段階で躓いてしまうというのは話になりません。
1年もあれば十分に対策できますので、コツコツ勉強して9割は取れるようにしておきましょう。
ただし、筆記試験だけに時間を割くわけにもいきませんので、苦手な分野を中心に対策するなど、効率よく勉強できるように工夫をする必要があります。
留年した1年で人事が唸る実績を作る
難関資格を取ったりインターンで成果を出したりするなど、留年中にしっかりとした実績を残すことができれば、大きなアピールポイントになります。
このとき、ただやみくもにチャレンジするのではなく、「どういう目的意識で何を目標に頑張って、結果として何を得たのか」をきちんと説明できることが大切です。
何となくの留学が評価されないように、形だけの肩書や実績では本当の意味での高評価は得られませんので、その点は肝に銘じておきましょう。
就活の解禁前に1社内定を獲得する
2回目の就活は内定を獲得するのが大変なだけでなく、精神的にもキツイと感じることが多いものです。
特に、1社も内定がない状況で本命企業に臨むよりのは非常にリスキーで精神的にもよろしくありません。
たとえ小さい企業だとしても、とりあえず1社でも内定があれば、「最悪仕事にあぶれなくて済む」という安心感を得られますので、本命企業の選考も落ち着いて受験できます。
先にほかの企業の選考を受けておくと、面接などの雰囲気や臨み方も分かってきますし、色々な企業の選考を体験していく内に自ずと結果も出てきます。
失敗が怖いなら就職塾に通うのも手
2回目の就活を1人でやって結果を出す自身がないのであれば、就職留年生の支援実績が豊富な就活塾に通うのも手です。
1回目の就活のみならず、2回目も失敗してしまうとそこからのリカバリーはかなり大変なので、少しでも不安に思うところがあるならば、多少お金はかかっても塾に頼った方が安心です。
就職留年の支援実績が多い塾としては内定塾・我究館・ホワイトアカデミーが代表的な塾として挙げられますが、それぞれについて簡単に紹介しておきます。
1つ目の内定塾は全国に校舎を展開している業界最大手の就活塾で、様々な書籍も出版するなどメディア実績も豊富です。
指導はマンツーマンとなっており、グループディスカッションや集団面接練習会も開催されているのも魅力です。
2つ目の我究館は業界内でも老舗の就活塾で、圧倒的な実績と多数の卒業生による特別講演会や座談会がウリの就活塾です。
指導方法も独自の確立されたスタイルで行われており、自己分析に重点を置いた集団授業がメインとなっています。
3つ目のホワイトアカデミー必ずホワイト企業に内定できることで評判の就活塾で、ハイレベルな講師陣と完全個別指導体制を中心とした手厚いフォローが強みです。
もしホワイト企業から内定が貰えなかった場合、授業料を全額返金してもらえるという保証制度もあるので、安心して通うことができます。
どの塾も実績は十分にありますので、指導スタイルや授業内容などを比較して、自分に合った塾を選んでくださいね。
このページのまとめ
就職留年について様々な角度から説明してきましたが、いかがでしたでしょうか?
就職留年をただの逃げ道だと思っている人や特定の企業や業界への思い入れが強すぎる人は、このままだと2回目の就活でも失敗してしまう可能性が高いので注意が必要です。
また、自分が本当に就職留年すべきかどうかは、現在時点での内定の有無や金銭的余裕と相談して再度冷静に考えてみましょう。
また、実際に就職留年をする前には以下の項目をクリアしておくことが大切です。
- 今回の就活の敗因分析をする
- 来年の就活解禁までに達成する目標を決める
- 親からの理解を得ておく
その上で、必要に応じて就活塾などを活用しながら1年かけてしっかりと実績を作り、解禁前から事前に内定をゲットして、着実に就活を進めていくことが成功への道です。
何よりもあなたの覚悟と頑張りが結果を大きく左右しますので、やれることは全てやり切って、後悔が残らないようにしてくださいね。
最後に就職留年をするのなら絶対に読んでおきたい別の記事をご用意しましたのでぜひご覧ください。